HOME > District通信 > 頼れるParaboot
頼れるParaboot
2012.08.30|by モリヤマ
タフなラバーソールで頼りがいのある存在の<Paraboot(パラブーツ)>。意外にも(?)幅広いコーディネートに合わせやすく、とりこになる方も…。今季もDistrict別注アイテムが登場します。
CHAMBORDのBLACK×WHITE SOLEの別注が記憶に新しいDistrictのParabootですが、実は過去(開店から数年目だったと思います)にも白レザーのウィングチップSevrierなど別注で販売した時期もありました。数シーズン継続したはずなのですが、一時期お休みしていたんですね。登山靴のノウハウをタウンシューズに採用したルーツをもつだけに、雨だろうと雪だろうとビクともしないノルヴェイジャン製法のラバーソールは、悪天候でも革靴を履くお仕事のビジネスマンやオシャレに敏感なお客様に絶大な信頼を得ています。取り扱いこそお休みした時期もありましたが、すこしずつ履いているお客様も増え、わたしたちも以前のモデルを引っ張り出し、そしてパラブーツへの信頼からまた履きたい気分になったというのがリアルな現象だと思います。
そんな背景にわたしの私見ですが、昨年の震災でたくさんの人々が非常時に自分の足で歩く事、そしてその足元に求めるクオリティに求めるものが変化したという事も大きな要因としてあるのではないかと思います。被災地の方々はもちろん足元の悪い中、過酷な生活を長い間強いられていますし、わたしたち都心の生活者は短時間でも交通機関のマヒでいろんな生活が犠牲になる事を学びました。夜通し歩いて帰宅した人も少なくありません。
華奢な革底の靴はエレガントで、非常に美しいもの。そしてちゃんとそれなりに長い歴史をもった機能性がありわたしも大好きですが、レザーソールの華奢な靴はだんだんとハレの要素を持つもの…という気分に変わっていったという感覚です。
数年前からAldenのスーパーライトソールなどを自分でもヘビーユースしたり、市場ではレッドウィングのポストマンシューズが復刻されたり…と、並行してラバーソールの革靴が再評価されていたところに、以前履いた経験のあるわたし以上の世代はだれしも、「そうだ!パラブーツがあるじゃないか」と思ったに違いありません。
100%ラテックスを使用した完全自社生産ソール。Lisseレザーとよばれるベーシックなしっとりした表革は、ワックスの含有率が非常に高く、レザー自体にも防水機能があります。そんなマウンテンブーツのような機能性と、ベーシックなU-TIPやウィングチップという顔の融合は、かなり幅広いコーディネイトの守備範囲をもっていて、ついついパラブーツに頼ってしまうという現象を生みます。
Districtでも、そんなパラブーツの頼りがいのある存在の“とりこ”になっているお客様が、ざっと思い浮かべるだけでも沢山いらっしゃいます。
そんなわたしも、週のうちパラブーツ以外の靴を履くのはかなり意識をしないとついついまた…と結局履いて出かけてしまっています。わたしなりに分析した結果、実は頼ってしまうのはクオリティだけでなく、そのボリューム感も“とりこ”になった要素のひとつだと認識しています。数年前からDistrictの主流になったハンパタケのパンツやサルエル調のボリュームのあるパンツ(オリジナルだけでなくkolorやギャルソン、1205など)には、ホントに華奢でスマートな靴が合わない。これは実感された方も多いんじゃないでしょうか?
結果的に、Aldenのダブルソールの量感やNewBalanceのぽってり感、以前なら惜しまれながらブランドをお休みしてしまったElsaの丸いキュートさ…など、靴が果たすコーディネイト上の役割もそのボリューム感が大きな要因である事を学びました。そんなボリュームのある革靴を求めて、昔のグラネロまで引っ張り出して履いたり^^
ノルヴェイジャンとL字型に立ち上がったウェルトのもつ剛健なコバ周りや高めのラバーソール、アッパーも数年前までスカスカしすぎて足に合わないと信じていたほどボリュームのあるラスト(⇒これはインソールを入れるという“目からうろこ”体験であっさり解決しましたが)。パラブーツを履く事で足元に加わる安定感に、文字どおりわたしも病みつきになりました。
先ごろ、入荷した「MICHAEL」もアザラシのファーが足元にアクセントを与えてくれます。ツイードのスーツの足元に合わせたくてわたしも昨年購入しましたが、ファーが付いている事も意識せず、夏の間もたのしく愛用できました。登山靴を作らせてもパラブーツならではの美学が行き届いていて、今回初めて取り扱った「AVORIAZ」のシャープな印象はこれまたアウトドアスタイルにコーディネイトするだけではもったいない美しいシェイプ。高く安定感のあるソールと細身のシェイプ、無骨なシューレースと合わせタン…といろんな魅力が凝縮された一足です。
そしてお待ちかねのDistrict別注アイテムの登場です。パラブーツでも先日、スペシャルアイテムとしてNUIT(夜という意味も)コレクションとして信頼できるLisseレザーのネイビーが定番のCHAMBORD、MICHAEL、WILLIAMの新色としてリリースされましたが、DistrictはこのCHAMBORD ネイビーにいつものカラフルな替え紐をセット。今回はネイビーに映える、ターコイズのシューレースをセットして販売します。
もう一型は、もともとレディースやAVORIAZに使用されていたROUGEを使用したCHAMBORD。以前Districtで大人気だったジンターラの赤を思い出す方も多いんじゃないでしょうか?赤レザーに黒の汚しを加えた深みのある赤が特徴で、これがまたネイビー主体のコーディネイトにとても相性がいい。もちろん、グレー系にも華やかさを添えてくれるので、いずれにしても意外なほど使いやすい色です。
どちらにも同色の別売りキルトをご用意しました。8月31日(金)の発売です。ご来店はお早めに。
モリヤマ
本文のおわりです。