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Scye & Scye BASICS -vol.2-

2012.03.29|by モリヤマ

Scye



鹿の子ワンポイント ポロシャツ ¥10,500(税込)
※ 今後入荷予定

綿ラミー強撚グレンチェック6Bダブルジャケット ¥72,450(税込)

サテンストライプ4Bダブルジャケット ¥57,750(税込)

サテンストライプハイバックトラウザーズ ¥35,700(税込)

サテンストライプサルエルパンツ ¥37,800(税込)

アルカリ度詰め天竺ガレージスーツ ¥72,450(税込)

コットンコーマ16/1チノテーパードトラウザーズ ¥22,050(税込)
商品に関するお問い合わせはすべてDistrict UNITED ARROWSまでお願いいたします。

前回に引き続き、“Scye”パタンナー(カッター)宮原さんに、2012年春夏のコレクションの商品の簡単な、それでいてテクニカルに濃い説明を、抜粋してご紹介します。Vol.1はこちらからご覧ください。

【鹿の子ワンポイント ポロシャツ】
いつものポロシャツなので説明不要ですが、今期からアイゾットからフララコ仕様になりました。サイズ感も以前より結ったり目に着られるようにしました。最初に作った時はピッタリ目にオトコっぽく着て、袖も余らずフロントもちょっと開いて…ってイメージしていましたが、だんだん着方も変わってきて…というのがあってサイズも大きめに変更しました。テイルをながく往年のアイゾッド・ラコステ(米国ライセンス・ラコステ)風にして(サイゾッドなんてよんでいただいたり)いましたが、これも脇にVカットを入れて前後の長さを同じにしました。

今回から染めの手法を変えて、今まで出来なかったターコイズとかピンクが出来るようになったんです。Scyeのポロシャツはまず白を作ってから後染めで色を染めるんですけど、今まで釜に入れて染めた後カゴから出して干していく過程で、最初に干したものとカゴの中で下にあったものとではカゴの下の方に染料が寄って行ってしまって、ムラになり色の出方がどうしても違ってしまったんです。それでどうしても微妙なターコイズブルーとかピンクは出来なかった。以前はレーシング・グリーンとか色に名前をつけたりしましたが、今回はそんな“今まで出来なかった色が出来たぞ!”ってコトでストレスから開放されて名前をつけるのは忘れました^^ 100枚染めていっきに100枚バッと干せたら良いんですけどネ。

【Dunbar-ダンバー】
ソールも厚めのポストマンの形のシューズです。TO&COさんに作っていただきました。この回はビブラムのラバーソールにしてもらいました。高校時代に流行ったんだよね。MADE IN ITALYでグッドイヤー。日本で作るよりも同じクオリティで伊製にすることで安く作ってもらえています。靴は全部イギリス人の名前をつけています。何の根拠も無いイメージでしかないんですけど、名前で覚えてもらえたらいいですよね。ヨーロッパのブランドで地名とか人の名前とかつけているのをよく目にしますね。「その靴なに?」「いやダンバーっていうんだよ」なんて名前が浸透したりすると面白いですよね。(※商品画像なし)

【綿ラミー強撚グレンチェック6Bダブルジャケット】
これはスミマセン。ちょっと納期が遅れています。強撚といって非常につよく撚った繊維を使用しているんですけど、撚りが強すぎて地直しといって水を通した段階で生地がねじれてしまい、チェックの柄が合わなくなってしまったんです。サンプル製作の時は地直しして縫ったんだけど、量産だとこれが大変で。生地の段階で地を整えてもらっていたら工場に入れるのが遅れて…ようやくこないだチェックして製品も出来上がっているので、間もなく納品できると思います。形は昨年の秋冬もクリノさんに買っていただいた、アンゴラモヘアの6ボタンのダブルの上下と同じ形です。

【サテンストライプ4Bダブルジャケット】
これはサテン生地のアンコンジャケット。芯も何もないんだけど、細番手の糸を使ったサテン生地のハリと光沢がステキなジャケットです。裏もつけずに皺も気にならないので、洗って着てもいいと思います。ジャケットというか、カーディガン感覚で使えると思います。裏の処理は全てパイピング処理、見返しもすべてステッチで押さえています。なので、洗濯にも耐えられます。見返し、ポケットの袋布とか裏でビラビラするのが嫌いなんですよね。

【サテンストライプハイバックトラウザーズ】
そして、この生地はパンツも2種類買っていただいています。かなりテーパードを利かせヨークを後ろに入れて、ハイバックにしたクラシックな仕立てにしています。ヨークは、横地にとってストライプが腰後ろで横じまになっていたりという、視覚的なオモシロさもあると思います。以前もこの形はやっていただいていますね。

【サテンストライプサルエルパンツ】
4Bダウンジャケットと共生地…Scyeでは以前からアストライドパンツとよんでいますが、独特のヒップのたるみはサルエルと言えばサルエルなのかな?と。これもずっとやっていますが、常に改良を重ねています。背中心に切り替えを入れずに、股下の一本のパーツで股間にシームが来ないようにしています。こうすることで、バイクとか自転車にまたがった時にシームのゴロツキが無くなっているのが特徴です。以前には横のシームもないワンピースのハギなしで作ったこともありますが、綿の場合反物の幅がもっと細く限定されるので、今回は脇線ありのこういう形になりました。見え方はコードレーン調なんですけど、組織がサテンなのでコードレーンほど凹凸がないんです。

【アルカリ度詰め天竺ガレージスーツ】
これは、ハンガーにかかっているのと着るのとでは全然イメージが違うアイテムです。要はツナギなんですけど、上半身がシングルライダースの形、下半身にScyeおなじみのアストライドパンツを組み合わせて、かなり股上を深くしています。ジップは下からも開けられるようにしたので、トイレも安心です。後ろから見ると、ハンガーにかかって見るほどすごいサルエルというわけではなく、お尻のタナの部分がちゃんと脚の間に収まってカッコいい形に見えると思います。ルックブックみたいに、上半身を腰に巻いてもいいですよね。生地は、アルカリで生地の風合いを変えた度詰め天竺。かなり目が詰まっているのですが、天竺なので伸縮性もあります。洗って少しヨレヨレさせた方がカッコイイと思います。着るとかなりカッコイイです。

【コットンコーマ16/1チノテーパードトラウザーズ】
今回はコーマ糸を使って表情を前回と変えています。秋冬は表面を掻いて起毛させたのですが、今回光沢のあるコーマ糸を使うことで、よりヴィンテージらしい表情にしています。形はいつもの形。後ろのダーツは、斜めにとっているのはScyeの特徴です。これも前にお話したことがあるのですが、縦にダーツを入れるよりも斜めにした方がたくさんの分量をとれるんです。実際にやってみると分かるんだけど、縦で同じ分量取ろうとすると無理が出て、ダーツの終わりにかなりのボリュームが出て消すのが難しいんですね。これが斜めになると、綺麗に最後が消せるんです。デザイン的なものというより、パターン上必要だからそうなっています。ブランドによってこのダーツの入り方で特徴があって、昔は「○○のパンツは2本とも同じ長さで、○○○は2本だけど片方は玉縁の中で止まる」とか…昔はそうところでわたしもブランドを見分けてたり。見る人は見ているんだよね。このダーツひとつ見て、“あ、Scyeだな”って分かってもらえたりすると嬉しいですね。

…以上簡単に抜粋でお届けしましたが、モノ作りの背景をお聞きすることで洋服に対する愛情とこだわり、そしてその大切さをあらためて教えていただきました。もちろん色んなブランドが、ひとつのものを作りにあたってこんなふうにたくさんの想いが込められていると思います。普段何気なくお店で手にする洋服にも、クリエイターさんのこんなお仕事に対する熱い想いと努力と工夫がこもっていることを気づかせてくれるステキな時間でした。DistrictでScyeの洋服たちに、ぜひ袖を通してみてください。(実際に着てもらうことが一番大事ですよ^^)

モリヤマ

Scye & Scye BASICS -vol.1-


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