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District通信 | 注目のブランドやアイテム

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トラディショナルなものとクリエイティヴなもの

2012.01.14|by クリノ


商品に関するお問い合わせはすべてDistrict UNITED ARROWSまでお願いいたします。

年明け一発目の通信は、毎年恒例、みなさまお待ちかねのコム デ ギャルソン オム プリュス。‘時代を越えた’ものだけが持つ‘強さ’を感じるコレクションの数々を、ぜひご覧ください。

新しい年となり、新しいシーズンが始まります。皆様お元気でお過ごしでしょうか?

2011年、日本においては大震災、津波、そして原子力発電所の事故・放射能漏れと拡散、また世界に目を向ければ中東の政変、北朝鮮の指導者交代、先進国経済の混乱、ギリシャ危機等々…文字通り世界が揺れ動いた年でした。2012年という年にまったく不安が無い、と言えば嘘になってしまいますが、せめて世界の人々が普通に穏やかな日常を過ごせる年でありたいもの、と祈る気持ちです。

さて、昨年のような波乱の多い年、また、日常が揺さぶられ、従来の価値観に対し大転換を迫られるような年にあって‘ファッションが果たす役割って何だろう?’という命題が突き付けられた、と感じています。自然の巨大な力の前の人の無力さを、また、一方では人の強さも明確になった年でした。自分の価値観や生き方を考え、仕事、社会との関わりにおいては、例えばファッション小売業者としてどうしたらもっと世の中の役に立てるのか…を考えたのは僕だけではないと思います。

僕は2011年という年を経験し、少し精神的にタフになった気がしています。ことの最深部を見ることを忌避できない年を経験し、例えば僕のファッション観も影響されたと思うのです。更に深いところへ、もっと強いところへと意識が向きました。そして、こうした’時代の気分’は常に自分自身のスタイリングに影響してきます。というより‘今、自分はこういうものをこういう風に着たい’という気持ちやアクションが僕に‘今はこういう時代なのでは?’と気付かせてくれるのかも知れません。

ファッションについて具体的に言えば‘トラディショナルかクリエイションか’その2大要素が一番気になっています。歴史の中で生き残ってきたもの(トラディショナル)と、自由に創造的で力強いもの(クリエイション)…。その二大要素こそ、これからのファッションのコアとなるものだと感じているのです。

昨年の秋くらいからスーツを着ることが多くなり、今まで単品で着ていたジャケット等も、工夫してスーツ的な見え方で着るようにしたり、シングルでフィニッシュしていたパンツの裾の仕様をダブルに改造してもらったりしています。それらにあわせてチャーチのオクスフォードも素材違いで2足購入しました。オーソドックスなトラッド気分でこころが落ち着きます。

一方、10年位前のコム デ ギャルソン オム プリュスやコム デ ギャルソン シャツのヴォリューム感のある服や、デザイン性の強い服を引っ張り出して着たりしています。そういう場合は昨秋購入したドクター・マーチンのブーツをあわせます。こちらはクリエイティヴな気分でアガります。

そして、前者からも後者からも、僕はそこに‘強さ’を見出しています。‘時代を越えた’ものだけが持つ‘強さ’ですね。変わらない、ということだけではなく、時代に刻みをつける、ということも強さだと思うのです。

それらの服の‘強さ’を借りて、或いはそこから何かの‘チカラ’を引き出して身に纏い、いかなる時代であろうともしっかりと生き抜いていきたい。自分が何者であるか、時代の中で何を信じ、どう他者と関わり、どう生きていくか…服に袖を通し、靴紐を結び直しながら、きちんと生きていかなくちゃ、と思う瞬間。今年もそうやって洋服と付き合い、また、意味あるものを提供していきたい、と思います。

さて、こうして綴ってきた‘強い服’の要素が全て入ったコレクションがあります。それが2012年、春、夏のコム デ ギャルソン オム プリュス。テーマは‘Tailoring for Punks’。表層的な反逆者や中途半端な不良の為の服ではなく、芯に強いものを持った男性にこそ着ていただきたい服です。

一見ライダース・ジャケット風のアイテムも丁寧にクロージング工場で縫製されています。或いはトレンチ・コートのディテールを踏襲したアウターもあります。単なるカジュアルでもなく、単なるクロージングでもない、深くて強くて、しっかりとした服。コム デ ギャルソン オム プリュスはまた新たなステージへと進化した、と感じています。

是非、店頭でご覧ください。

2012年、春、栗野宏文



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