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山椒は小粒でピリリと辛い:サルバトーレ・ピッコロ賛


"山椒は小粒でピリリと辛い"これは、物理的には小さくても、その見かけ以上のパワーを持っている"もの"や"ひと"を表現した言葉です。優秀な小型車や、小柄でも身体能力が高い運動選手などを表すのに適した(いかにも日本語らしい)言い回しではないでしょうか?

我々日本人が、ラテン人種であるイタリア人に対して親近感を抱く理由のひとつに、その身体的な特徴が挙げられるでしょう。黒い髪の毛、意外と小柄な身長、それほど白くは無い肌の色...。そして、同じイタリアの中でも北部と南部とでは身体的特徴が異なり、ドイツやスイスに隣接する北部イタリアに対し、例の長靴型の半島の下端の部分にあたるナポリ地方人には、明らかなイタリア南部らしさ、というものがあります。そのひとつが身長。ナポリ人は小柄なのです。

数年前、ピッティ・ウオモでデビューしたシャツ・ブランド"サルバトーレ・ピッコロ"は、直訳すると"ちっちゃなサルバトーレ"。そのデザイナーであり、オーナーでもあるサルバトーレ氏はナポリ人であり、そして文字通り小柄(ピッコロ)な、まさに山椒のようにオイシイ人物です。もちろん彼が作るシャツも、オイシイ!(しかも、それはあだ名ではなく本名なのでした)

ユナイテッドアローズのトップ・ブランドである"カモシタ・ユナイテッドアローズ"がピッティにデビューした同じシーズンにお隣さんだったのが"サルバトーレ・ピッコロ"。あまたあるピッティの出展ブランドは、それぞれ、そのブランドに適したロケーションを与えられますが、"カモシタ・ユナイテッドアローズ"や"サルバトーレ・ピッコロ"は"Futuro Maschile"つまり"未来の男性"という意味のエリアにブースを出店しました。

"未来の男性"...イイですねえ。クラシックなだけではなく、かつ、単なるアヴァンギャルドでもない。品位と節度を保ちつつ、新鮮でもあるハイクオリティーなメンズ服。それこそは僕が理想とするものです。基本はクラシックであり、縫製技術やディテールの重視、完成度は伝統に根ざしたもの、完璧なものを目指しながらも、デザインやテイスト、素材使いはフレッシュ...まさに"Futuro Maschile"ですね。サルバトーレ氏のお母さんはナポリのハンドメイドのシャツ屋さん、その生産背景を背負った息子には、斬新なアイデアと先見性があります。メイキングは、完璧なナポリの手縫いのシャツなのに、仕上がったものが洗ってあったり、袖の型紙に意外なダーツがとってあり、それ故、スッキリと見えたり...一見、クラシックなサルバトーレのシャツに秘められた革新性に、僕は強く惹かれました。

実は今から10年前、オープン時のディストリクトではルイジ・ボレッリやバルバといったイタリアの名品シャツも扱っていました。その後、色々とあって、しばらくはそういう品揃えには手をつけずにいたのですが、今年の10周年を期して、久方ぶりにイタリアの手縫いのシャツを仕入れることにしたのです。それも、新しさとクラシックさとが巧みに同居した"サルバトーレ・ピッコロ"のシャツに出会えたから、でした。

今回はパッチワーク調のプリントのものと、少しひねったチェック、そして使い易いストライプを選びましたが、そこにディストリクト10周年のアイコンとして一部"赤い糸"を部分的に使用してもらいました。僕がそのディテールにこめた気持ちは"これまでディストリクトを支えてくださったお客様方と、ブランドとの絆"です。

いかがですか?サルバトーレ・ピッコロのシャツと皆様とが'赤い糸で結ばれている'感じは?

ぜひお店でご覧ください!

クリノ

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シャツ:¥29,400~¥30,450(税込)
タイ:¥16,800(税込)

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