'クリノの手袋解禁日'
今日(11月6日、月曜日)から僕は手袋をはめ始めました。10月でも11月末並に寒い日もあったのですが、クリノの決め事で'手袋は11月から'と決めていたので...。
子供の頃のクリノは手の荒れがひどく冬場はいつもカサカサになって出血していたりしましたので手袋は必需品でした。ティーンエイジャー時代のクリノは血気盛んだったのか、カッコつけて薄着だったのか...手袋をしていた記憶がありません。大人になって真剣にお洒落をし始めたら冬場の手袋は必須となりました=ディストリクトのブログでモリヤマさんが解説してくれているのと同様です。
そしてファッションを仕事として選んで以降、様々な写真撮影に立ち会う様になって、それまでとは異なった視点で'手袋の役目と効果'を理解し、実行するようになりました。
良い機会なので,以下にそれを解説させて頂きます。
1.手袋は単なる防寒具では無い。
2.手袋は秋・冬の装いに欠かせないアクセサリーである(女性は通年でも可)。
3.'コートを着たら手袋'はある意味必須。理由はバランス取りです。
①コートを着た姿で手袋無しは裸足の様に感じる(手先がナマっぽい)。
②コートを着た際の全身のバランスの中で手を大きく見せる必要がある(バランス的に)。
③実はジャケット(やスーツ)姿でも、余程薄手の生地使いのジャケットでない限り、手袋をすることによるバランス取りは効果的。
これはジョルジオ・アルマーニ(GA)の80年代の写真を見れば理解できます。アルド・ファライによるGAの一連の広告写真(エディトリアルも同様)では手袋の効果が明確。
④更には正面からの撮影の場合'手を握り、甲の部分を正面に向けたポジション'で撮影すると効果があります。
⑤ミケランジェロ等の彫刻作品を見ていただくとお分かりになると思うのですが、彫刻で表現された人体の'手'は実際よりもかなり大きなバランスとなっています。これは'離れてみた場合、手が小さく見えるから'なのです。小さく見えないために'手'を大きく彫った訳ですね。そして手袋をするのは、それと同じ理屈からなのです。
僕は元々の寒がりに加え、メンズ・スタイルの基本的ルールの理解、更には彫刻等に由来する'人体表現の黄金率'がファッション撮影に応用されていることを知って、完全に'手袋人'となりました。
今シーズン、ディストリクトでは'ドライヴィング・グラブの導入'という提案もありますので益々'リアル'なイメージで手袋を楽しんで頂けると信じます。お洒落の季節を堪能して下さい!
2017年、10月。クリノ・ヒロフミ