UNITED ARROWS LTD.

District UNITED ARROWS

Blog

旬な情報を店頭スタッフから

クリノカラご紹介

posted by クリノ
皆さんこんにちは!
東京は連日の猛暑ですが、その暑さにもめげす、ディストリクトにはアツイお客様方の来店が続いていて嬉しい限りです。
ご来店の目的は春・夏商品のセールと今秋・冬の立ち上がり。

ディストリクト・オリジナルは今すぐに着られるコットンの新作パンツから、ジャケット、セットアップ、スーツ、シャツetcと幅広く立ち上がり商品が揃いました。
またデザイナーズ・ブランドではコム デ ギャルソン オム プリュスを筆頭に、
ジュンヤ・ワタナベ、カラー...といったパリ・コレ常連組から、ケーシー/ヴィダレンクのような展示会組まで、新作が良いタイミングで店頭に並んでいます。



洋服、特にデザイナー・ブランドという存在は'そのシーズンにしかないアイテム/デザイン'というものが大多数なので、その季に買い逃してしまうと一生出会えないかもしれない!(少々大袈裟ですが)ということになります。
僕も35年間の洋服屋人生の中で何度悔しい思いをしたことか...
そんな訳で、この時期は春・夏商品を入手する最後のチャンスである、と同時に、立ち上がったばかりの新作群を前に、今ならサイズも色もある!と嬉しい迷いを味わえるタイミングでもあるのですね。
それにしても今季は立ち上がりに対するお客様の反応が一際早く、かつ、積極的な気がします。
それは前述したプリュスやジュンヤやカラー、C/V、そしてディストリクト・オリジナルの内容充実に起因するものかも知れません。


さて、日本及び世界のデザイナー・ブランドやデザイナー本人に興味のある方に朗報です。
先週末から東京都現代美術館で始まった'FUTURE BEAUTY/日本ファッションの未来性'というエキシヴィジョンと、文化出版局から発売された'ハイファッション デザイナーインタビュー'という書籍をご紹介します。

 

'FUTURE BEAUTY'は2年前にロンドンのバービカン・アート・ギャラリーで開催され、その大成功を受けて、ミュンヘンへも巡回した展覧会です。
1970年代の高田賢三や三宅一生から、1980年代のコム デ ギャルソンやヨージヤマモト、そして90年代以降はアンダーカバーやミントデザインズ、そして直近はリトゥンアフターワーズetcまで、30年以上にわたるジャパニーズ・ファッションの歴史と、その意味、影響等について展示し、解説したものです。
実物を見ることが困難な70年代のISSEYの服や、80年代のCDGの服、それらが目の前にあるのです。若い観客にはそれだけでも感動だと思いますが、僕が最も印象深かったのは70年代のISSEYのショウのインヴィテーションや印刷物、そして1983年のCDGのパリ・コレクションの映像でした。
特に後者は今見ても全く時の流れを超越したものであり、現実に'今でも着られる服'、
'今でも格好良いスタイリング'だと言えます(それをみるだけでも価値あり!)。

僕は縁あってロンドン編のオープニングにも参加させていただきましたが、こうして東京でそれらに再会できたことがとても嬉しいですし、何よりも、若い観客には新鮮な発見を、そしてリアルタイマーである50代、60代の観客には懐かしさや心の高揚をもたらすものだと思います。必見です!


もう一つご紹介するのは'ハイファッション デザイナーインタビュー'という書籍です。
1960年に創刊され50年間にわたって'ファッション'というものを真摯に紹介し、語り続けた雑誌'ハイファッション'は2010年に休刊しましたが(ウェブマガジンとして継続中)、この本では2005年以降、同誌に掲載された様々なインタビューが再編集されています。
ラフ・シモンズや阿部潤一、高橋盾、ドリス・ヴァン・ノッテン、クリス・ヴァン・アッシュといったディストリクトではお馴染みの方々のインタビューを通じ、彼らが何を考え、どのような道筋を辿ってここまで来たのか?が理解されると思います。

本書籍には今秋からディストリクトでご紹介するTOGA(メンズです)の古田泰子さんのインタビューも掲載されていて、彼女がどんな映画や文学や音楽が好きなのか、がわかります。
古田さんの人としての魅力や、女性としての格好良さ、そのヒミツが垣間見られるのです。

2012年、秋・冬のスタートにあたって、新作の服を着ていただくだけでなく、その背後にある歴史や思想、哲学にも触れて、更に理解が深まり、より深く好きになっていただける良いチャンスではないでしょうか?
'FUTURE BEAUTY'展、そして'ハイファッション デザイナーインタビュー'、どちらもお奨めします。

(ちなみにどちらにも僕が少しだけ関わっていますが、それが推薦の理由じゃないカラ!)

では楽しい'立ち上がり&シーズン・セール'を!

クリノ ヒロフミ

Archives

MORE