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ワンワン

posted by クリノ
最近犬を飼い始めました。
と、いうよりも‘犬と暮らし始めました’という表現のほうが僕は好きですが…
それは以前から望んではいたことなのですが、
実は‘犬を買いに行く’という行為にどうしても馴染めず、
また、血統書つき云々、ということもなんだかしっくりとこなくて、
なんとかして雑種(今はミックスと呼ばれている?)の犬と出会えないものだろうか、
と考えていたのです。

ところが今の時代、世の中には犬が大勢居ますが、
道を歩いている彼らの殆どはナニナニ犬とジャンル分け出来る犬種ばかりで、
彼らの行動も(特に‘恋愛’に関しては)制限されています。
他の犬種とまじわらないように、ということなのでしょう。

犬達の世界に自由恋愛は無い!
ですから結果的にミックス君たちは世の中に登場しない訳ですね。
僕はこのことを理解するのに少し時間がかかりました。
今の犬ブームの日本の犬達には、ほとんど‘お見合い結婚’しかない、
と解釈すれば良いのでしょう。

さて、知人の身内の方が、つまり僕からはとても遠い関係の方が、
散歩中に捨て犬(これも嫌な言葉デスね…)を拾いました。
そして、知人に‘この子の里親を探してもらえないか?‘という打診があり、
それがめぐりめぐって僕のところに来たのです。
’どなたか居ませんか?‘ということ。

結局、僕の一家がその’どなたか‘になってしまいました。
先週末から一緒に暮らし始めたので、
まだ1週間経っていませんが、とても可愛いです。


さて、この話で面白かったのが、最初に拾ってくださった方は、
ご自分自身は既に飼い犬が居て、しかも、その子が嫉妬深く、
少々難しい性格なので、絶対に自身では飼えないことがわかっていたため、
件の捨て犬の本当の里親が見つかるまでは名前をつけないでおこう、と考えたそうです。

お分かりになりますか?
もし、そこで何らかの名前をつけてしまったら、
犬のほうもそういう自覚が出来てしまうし、
その方自体も、無事に里親が見つかったときに、既に‘誰々チャン’と呼んでいたら、
離れがたくなってしまう為、
敢えて便宜的で無機質で意味のない一時的(期間限定!)な呼び名で呼んでいた、
ということなのです。

その方は2匹同時に拾ったので、その時点では‘A子とB子、と
テンポラリーに呼んでいたそう…

さて、結果的にその子(B子)は我が家の仲間となったので、
正式に命名しました。
もうA子やB子ではない、ということです。


そして、この話から思い出したのは
アントワープ・アカデミー出身のデザイナー達に共通の、商品命名法です。
以前にもどこかで書いた気がするのですが、
彼らはそのアイテムを表す単語(一般名詞)を意識し、
商品に名前(固有名詞)をつけます。

例えばシャツ類ならシャツの頭文字がC(フランス語だとシュミーズがシャツの意)なので
Codyとか、Copleyとか,Carringtonとかが其々のシャツの名前。

パンツ類の場合はパンタロンのPにちなんでPatronとかPatrickとか…
ご理解いただけましたか?

こうやって、品番や記号ではなく固有名詞で認識して商品づくりをしていけば、
作る側も、宣伝販促する側も、そして勿論お客様も、通常以上に、
その商品に’愛着‘が湧き、結果的にロング・セラーアイテムあるいは、
稼ぎ頭になってくれたりもします。

今年のcodyはどんな素材?といった具合に…
息の長いビジネスを考えた時、
取り入れられるシステム&アイデアではありませんか?



さて、7月25日から2週間、ディストリクトにてkolorの期間限定ショップが登場します。


もともとkolorは最初のコレクションから買い付けており、
世界に誇るジャパニーズ・デザイナーブランドですが、
ディストリクトでは特に顧客の方の人気が高く、毎シーズン売れ行きも好調でした。

そのkolorのデザイナー阿部さんとディストリクト・スタッフとのやり取りの中から
’今秋何か特別なことをやりましょうか?‘ということになり、
結果的には世界で唯一&初のkolorオンリーショップが誕生するのです。
世界中のバイヤー達が悔しがると思いますね!
ただし、期間限定です。

そのkolorのスペシャル・ショップにおいてkolorの定番ともいえる、
或るジャケットのカット&ソウン版を展開します。


定番といっても、ここにご紹介する素材や色は今回だけのもの。
このジャケットってお分かりになりますか?
極めて小ぶりな襟付きで、前開きで、でもボタンレスで、
後部にはお印程度の短いヴェントが切ってあるものです。

ジャケットしても、ブルゾンとしても、
一種のパーカーのような着方も出来ます(フードはありませんが…)。
とても便利でイカしたアイテムです。

そして、僕はその便利さ故に、
このジャケットを素材違い、色違い、ディテール違い…で何着も購入し、
着続けてきたのですが、その結果、
阿部さんの周辺では‘クリノ・ジャケット’と呼ばれているとのこと。
光栄なことです!

冒頭に述べた犬のお話や
アントワープ派のデザイナーの例というのは
‘名づけるということは対象に愛情をこめること’である、
ということをお伝えしたかったのですが、
仮にでも、件のジャケットに僕の名前が付いているとしたら、
こんなに嬉しいことはありません。


僕はちぎれるほどシッポを振ってしまいます!
では皆様、kolorのお店、楽しんでくださいね。
ワンワン♪♪



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