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District Report | District 通信

祝20周年 - Scye

Districtらしく、そして人気の高いドメスティックブランド Scyeは、今年で20周年を迎えます。今シーズンのラインナップとあわせて、ブランドの魅力を改めて紹介します。

Districtと同い年、2000年創業のScye(サイ)。
20年前の開店時には残念ながら取り扱いが無かったのですが、クリエイティビティ&クラフツマンシップというDistrictのテーマを体現するようなScyeも当然のように次の秋冬から取り扱いを始め、いろんなブランドを取り扱うセレクトショップというDistrictの性格のなかで、日本の優れたファッションプロダクトを紹介する代表選手的ブランドの一つになりました。

現代の洋服の基本的なテクニックが生まれた英国1900年代初頭の伝統的なパターンワーク・カッティングテクニックを基礎に、効率化とともに省力されていった、本来であれば動きやすさや人間の体によりフィットする洋服の作りを形にする……と言葉にすると簡単ですが、一見見慣れた形をしているシャツやスウェットやジーンズ、そしてテーラードジャケットやコートたちが、袖を通すとなるほど心地よいという体で感じる、非常に奥深い体験をもたらしてくれる稀有なブランドです。

洋服のプロでなくても、着るほどに体のこと・動きやすさ・使いやすさを計算されたScyeの服たちが自然にお気に入りになっていく……そんな体験を経てファンを着実に増やしています。

・コート(Scye):¥130,000 +tax

・コート(Scye):¥71,000 +tax

・カーディガン(Scye):¥42,000 +tax

・シャツ(Scye):¥25,000 +tax

まだユナイテッドアローズ本体でも他のショップでもあまり目にすることの無かった時代に、そのあまりのカッティングの美しさと素材のすばらしさから、Districtの一店舗で大量のメルトンのピーコート(当時Scye PEAと呼んでいました)を販売した(あまりの反響に追加生産をお願いして)のは、とても印象に残る思い出です。
軍モノ由来の米国S社のピーコートしか目にすることのなかった時代に、本来光沢のある繊細なスーツに使用するようなSUPER100’Sの極細ウール糸を贅沢に圧縮した柔らかくも丈夫なメルトン生地を、立体的に作図された曲線で構成された美しいパターンにのせたScye PEAは、当時衝撃的だったということなんでしょう……。
原宿のキャットストリート沿い、しかも二階にあるまだそんなに知名度もない”ディストリクト”というお店に、Scye PEAの発売にあわせて”違いが判る”目の肥えたお客様のちいさな行列ができて……という現象を体験したのも、リテイラーとして誇りを感じたエピソードです。

みなさまご存知のようにそのピーコートだけでなくデニムやチノパン、ボタンダウンのシャツやポロシャツ、レザーのライダース、トレンチコートにバルカラーのコート、ブレザー……すべてを思い出すのが難しいくらい次々とあっという間に売り切れてしまう名品・名作がその後も生まれて今に至ります。

・シャツ(Scye):¥19,000 +tax

・ジャケット(Scye):¥38,000 +tax

・ブルゾン(Scye):¥73,000 +tax

・パンツ(Scye):¥26,000 +tax

そんな名品たちが増えていくと、毎シーズン新作をリリースする限られた枠に(生産背景やキャパシティの関係で型数には当然限界があります)占める割合も増えていき、「だったらベーシックラインみたいな別ラインつくっちゃえばいいよ」とパタンナーの宮原さんとDistrictのお店でお話ししたのちに”SCYE BASICS”が誕生したり(元々構想されていたのかもしれませんけど)。
ベーシックとはいえ真面目なScye。毎回まったく同じではなくその都度気分に合わせて、襟腰を高くしたりある時は下げてみたり、サイズスペックをゆったりにしたり、着丈長くしたりと細かくマイナーチェンジが施されていて、やっぱりまたリピート買いしてしまうという体験は販売している我々にも同じように……。


・パンツ(Scye):¥26,000 +tax

・パンツ(Scye):¥36,000 +tax

・ジャケット(Scye):¥96,800 +tax

・ジャケット(Scye):¥62,000 +tax

転じて本筋のScyeはというと、もともと得意だったクラシックなテーラードだけにしばられることなく、ラペルの細いモダンなジャケットが出てきたり、ゆったりめのイマ風のバランスが採用されたりモードの気分も巧みに取り入れる柔軟さが加わったのがここ数年の傾向。

80年代のようなボリュームのある袖を持つコットンリネンの鮮やかなチェックのブルゾンや肩の落ちたビッグサイジングの(とはいえパターンの作りの美しさのせいか、だらしなさは微塵もありません)ノーカラートレンチ、などが今季らしいラインナップ。
他には毎回好評な高密度ナイロンタフタを用いたステンカラーコートや前身と袖がひとつながりの複雑なパターン構成を持つ輪編みのスウェットなどの(アイシーな配色で今年らしさを見せてくれます)以前も人気のあったアイテムをリニューアルしながら継続してくれるファンサービスもありながら……。
ウールモヘアのダブルのブレザーは構築的な美しさもありながら、4ツボタンのリラックスした空気感もまとっていたり……。
かと思えばリネンの鮮やかなオレンジで作られたノーパッドのジャケットは最初期の頃の(わたしも買った)アッシュクウールのジャケットと同じ形で、これまた懐かしアイテム……といずれもScye20年の歴史と進化を感じさせる内容です。

プロダクトに縫い付けられたScyeのネームも今年は20周年の特別ロゴ。ずっと販売しながら長年のファンであるわたしも嬉しい品物がたくさん並んでいます。身に着けてみて初めて実感するScyeの真面目な物づくりの数々を、ぜひお店で体験してみてください。

モリヤマ