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BRIT PREP - District 2018 Spring/summer Creative Direction 

いよいよ新しいシーズンを迎えます。ディストリクトが2018年春夏ディレクションとして掲げるのは“Brit Prep”。IVY、プレッピー、BRITISHの行き来が楽しめる、面白いシーズンになりそうです。プロフェッサー“S”による解説をご覧ください。

みなさんこんにちは。“S”です。

今年も関東を境に西と東で気温の足並みは揃いませんでしたが11月から一気に寒くなり、絶賛真冬の真っ只中。みなさまいかがお過ごしでしょうか? そんな最中ですが春夏のお話をさせていただきます。

2018年、春・夏のディストリクトのテーマは“Brit Pop Prep“。いつものように栗野教授のお話を伺ってみましょう。

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2018年、春・夏、ディストリクトのクリエイティヴ・ディレクションは‘Brit Prep(ブリット・プレップ)’です。

勘の良いかたは直ぐにお分かりと思いますが、これはBrit Popという言葉からヒントを得つつ、Preppy Style in British Tasteを表現しようとしたもの。

ご存知のようにBrit Popとは90年代に盛り上がった英国発のロック&ポップのムーヴメント。中心になったのはオアシスやブラー。⇒こうした音楽やスタイル(ファッション)の流れやカテゴリーとしてのご多分に漏れずBrit Pop に‘正式な定義は無い’と言えます。60年代のビートルズ達や70年代のグラムロックやパンク、80年代のニューウェイヴやニューロマンティクス……といったように英国発進の音楽&スタイルの流行は常に起きていましたし、それらはBritish Invasion(英国の侵略)と称されるほど影響力を持っていました。
Brit Popに関してはモッズやパンクのような反逆性は感じられない代わり、世界に影響を及ぼす‘わかりやすさ=ポピュラリティー=Pop’ な感覚が備わっていた……と言えるのかもしれません。中心となっていたバンドのなかでもオアシスにはビートルズの強い影響を(特にメロディーラインやハーモニー)を、そしてブラーにはデヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージック/ブライアン・フェリー的な演劇性や皮肉、諧謔、知性を感じます。クリノの解釈するブリット・ポップとは‘批判精神や皮肉といった≪知性≫を音楽的洗練と良い意味での大衆性で纏め上げたポピュラー音楽’という感じ。

さてPreppy Styleとは‘ブリティッシュ・トラディショナルに源流を持つアイヴィー・リーガーズ・スタイルがカジュアルにスポーティにこなれた結果の若々しいスタイル’です。そして英国自体にも名門校に通う良家の子女のスタイルはあるわけで、その発展形(曾孫的?)であるプレッピー・スタイルから先祖還りした、あるいは源流と発展形を折衷したものは? と考えてみたらBrit Prepという表現に行き着いたわけです。

伝統あるレガッタ競技やクラブ・ユニフォームの持つ、ストライプが印象的な‘クラブ・ルック’を多少アメリカナイズさせ(テクノロジカルなスポーツウェア等を組み合せ)、それらをトウキョウらしいポップさと少々のパンク気分(Tokyo Punks?)で仕上げたら……。そんな‘気分’が2018年のディストリクトが提案するBrit Prep Styleです。

1.カタチやディデールにはアイヴィー・リーガーズのヒントが。
2.色・柄使いにはブリティッシュ・クラブの品格が
3.素材にはディストリクト伝統の‘良質素材’‘開発素材’が
という感じです。
さてみなさまにはどんなSOUNDが聴こえBEATが伝わってきますか?

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ということですが、今回も解説してみましょう。

みなさんもよく「80年代の気分」という言場をここ数年耳にしてきたと思います。オーバーサイズ、ルーズシルエット、カラフルな色遣い、スポーツミックスなどファッションにもその気分が多く落とし込まれてきました。
そして、80sとくれば90sも、と思いますよね?
来る、来ると云われて「いつ来るんだ90s」と思われた皆さんも多いと思います。
デザインやシルエットが出尽くした80sの後にやってきた90sは、80sのような目にわかる変化のあった時代ではなく、従来にあったものを工夫して新鮮に見せることの多かった時代で、音楽でいうところの“リミックス”にたとえることができ、「90sはリミックスの時代」と言えます。
80年代は一つのムーヴメントが大きな潮流(流行)となりますが、デザインも出揃いテレビや映画の衣装からお父さんのスーツまでが大きめとなり、その揺り戻しから90年代はサイズがジャストサイズに向かったり、デザインに対してトラッド志向になっていきます。メンズのランウェイでもラフ・シモンズがランウェイにスウェットを導入したことが大きな話題になったり、マルタンマルジェラは古着をリメイクしたり、トラッドディティールを上手く採り入れたり、バービー人形の服を人のサイズにしてみたり、足袋をシューズにしたりなど、独創的なアイデアと工夫で次々と素晴らしいコレクションを産み出していきます。また、ユナイテッドアローズ 原宿本店も東京代表で参加し、ロンドン・ミラノ・パリ・東京で同じプレゼンテーションを6都市同時開催したり、ランウェイの音楽にノイズやインダストリアルなものを用いたり会場がアパルトマンで回遊して見る形式だったりと、以前と全く違うアプローチに新しい刺激をたくさん受けました。音楽はまさにリミックスの時代で、曲が書けなくても従来の曲をサンプリングすることで作品を作ったり、エスニックな曲がエレクトロとミックスされて新しいものになったりと、従来のスタイルも残りながらリミックスによって生まれ変わったり進化していきます。

洋服ではデザインが多く産まれたのが80s、出揃ったネタの編集が90sの妙ともいえます。Districtがツープリーツワイドをリリースしたのが2015年春夏、2年間の間にみなさんも腰周りのゆとりに慣れ、EN ROUTEの導入と前後して長い着丈のカットやトップスから始まりゆったりしたシルエットをカジュアル面で楽しまれたことと思います。他ではバンドカラーが市民権を得たり、ジャケットのインナーがクルーネックになったりという流れもありました。2018年の今、ツープリーツワイドから2年経過して、少しずつレギュラーサイズやトラッド感へ向かい始めているのを感じ、80年代末に似た気分を味わっています。

そのトラッド回帰の気分を、“BRIT PREP”と表現しました。プレッピーをブリティッシュテイストで愉しむという気分、真面目なIVYをカジュアルな気分で着る“プレッピー”をさまざまなBRIT感で表現します。栗野教授の解説にもあるようにプレッピーはカジュアルな気分でトラッド(IVYスタイル)を着るスタイル。そこにDistrictのもう一つのお家芸のブリティッシュテイストを加えるということで、Districtの2つのお家芸、“IVY”と“ブリティッシュ”を自由に往き来するのがこの春夏です。

リラックス・コンフォートは必須として、ベースとなる代表モデルとして3つ釦上2つがけの3BJKT・VESTに尾錠つきの70クロップをあわせたIVYスーツを用意しました。この共生地でDistrict British代表のボンデージパンツを用意しています。
スクールストライプはジャケットでなくこのところご支持いただいているTypeⅡ型で。新型の羽織ものとしてミリタリーのM-43型も数種類の素材でリリースします。

以前より温めていた“アスコットシャツ”も満を持してリリース。アスコットシャツは、シャツに襟の代わりにアスコットタイがついており、開発秘話はブログでご紹介しますが、ドレスアップして行くアスコット競馬場用にターンブル&アッサーで作られていたのが起源で、60年代末にはブルックスブラザーズのカタログに毎回掲載されていました。本来はアスコット部分を結んでジャケットに合わせますが、結ばず垂らして腰まわりゆったりのテーパーパンツと合わせる着方も現代に合っていると思います。

パンツでは7 1PLをもう少しスッキリさせた9 1PLが登場します。それに加えて、先ほどのIVYスーツでピンと来たかたもいらっしゃると思いますが、ゆったりパンツに慣れて普通の丈がちょうど良く思えるということから68クロップは70クロップに生まれ変わります。

お馴染みの一重のジャケットにも新たなラインナップが加わります。一重のボディに筒袖でなく切羽をつけてよりジャケットの見え方に近づきます。このジャケットに先の9 1PLをセットアップして、「組下が1プリーツのスーツ」として展開します。こうすることでさらに着心地の軽いカジュアルなスーツをご用意しました。

また、“軽さ“はダイレクトに素材面でも表現しています。今回は、見た目の軽さに加えて実際の重量を軽くする目的でシルク100%のポプリンを2種類用意して、お馴染みのハーフ毛芯のスーツと、M-43型、9 1PLに。単品はもちろん、ブルゾンのセットアップも目にも重量も軽く、楽しい着方ができます。

 ※ アイテムはすべて近日入荷予定です。時期など詳細は店舗までお問合せください。
 ※ 写真はすべてサンプルを撮影したものです。実際の商品と異なる場合がありますのでご了承ください。

また、栗野教授と、よく話題になるのが“古着”。高級ヴィンテージに限らず、リサイクルやフェアプライスでオンリーワンのものを上手く採り入れるのも“今”の一つ。古着でなくても、Districtでも重衣料はヴィンテージ感のあるものがここ数年とても支持があり、素材選びでも意識しています。“手触り”に“ぬくもり”や“あたたかさ、体温”が感じられることはとても気になります。世界で一番ヴィンテージが揃っているのがトウキョウとも言われていますが、このような古着との共存が強くなってきているのかもしれませんね。

そして17FWより扱いを開始したJOHN COMFORTのネクタイは今回の気分にもぴったりで、レジメンタルタイもロンドンストライプのラウンドカラーと合わせてポップなVゾーンとして遊べます。また今回はブルゾンにタイドアップもかなりおすすめで、新鮮なところでは17FWでご好評いただいたオープンカラーのタイドアップ。実際、オープンカラーが流行っていたアメリカの40年代~50年台はオープンカラーをタイドアップすることで非常にカジュアルなVゾーンになっていました。それに合うように、JOHN COMFORTのクレストタイでは「ブルドッグ柄」もあって、イギリスらしいユーモアも利いています。また“POP(楽しさ)”という面は “色遣い”で表現できるように、ネクタイやシャツにカラフルな色も差しています。Districtではずっと提案していますが、ネクタイをアクセサリーと捉える着方はカジュアル感の演出にぴったりですので、新しい使い方をマスターしてくださいね。

リミックスなのでかなり具体的な説明となりましたが、Districtのお家芸、IVY、プレッピー、ブリティッシュを自由に行き来して、楽しい2018年を過ごしましょう。


“S”