UNITED ARROWS LTD. ブランドサイト一覧

District UNITED ARROWS

Blog

旬な情報を店頭スタッフから

'Last shall be First'

posted by クリノ

Last shall be First'というタイトルの本をロンドンで手に取ったことが有ります。

'最後が最初に来るべきだ'と直訳したら'ン?'となるかも知れませんが、著者名が

xxxLobbと聞いたら'ああそういうことなのか!'とおわかりになるかも知れません。

つまりこの本はジョン・ロブ家の何代目かが記したシューメイキングに関する本です。

'まず木型ありき'と訳すと正しくニュアンスが伝わるでしょう。

つまりこの本は良い靴にとって'木型(Last)が如何に重要であるか'を題名にしつつ、シューメーカー(正式にはブーツメーカー)の歴史やもの作りについて記した本なのです。

何度も書かせて頂いていますが僕は無類の靴好き(靴だけでは無い、ですが...)です。そして永年様々な靴を履いてきた一つの結論が''Last shall be First'なのです。

靴選びにおいて最初&最重要なポイントが'木型'にあると思います。個人差はありますが、約60キロの肉体を支え、その動きに沿い、動きをサポートする'靴'というものを考えた時、足(LegではなくFoot)の複雑な動きや運動量を支えなければならない役割の要として'靴'は本当に重要です。そして、その複雑な構造体を形成するにあたって

'木型'は最もたいせつな存在でしょう。

ご存知の様にビスポーク(Be Spoke)の靴は依頼主の足型を把握し、その代役である

'木型'を削るところから靴づくりを始めます。既成靴では足型を採って木型を掘り出したりすることは無いものの、やはり'木型に革を乗せる'工法は同じです。'木型'の上に革をのせ、底部へと引っ張り底材と接合することが基本なのですが、例えばそれがグッドイヤーウェルト製法である場合には'何度でも底を替えられる'特徴があります。

ちなみにディストリクトで扱っている靴の殆どは、このグッドイヤーウェルト製法です。

ph-20171202182102-936f6c857e.jpg

さて、僕が今年最後の靴の買い物('靴'の買い物...デス)としてご報告したいのがチーニーのブーツKimber。このモデルは展示会でチーニー社のミリタリー・ブーツを見た私とバイヤー豊永譲司がその無骨さに惚れ込み、かつ、無骨なだけで無く街で履いて頂くリアリティーをディテール等で付加しようと考えた一足です。

クリノ個人の'ブーツ好き'に関しては以前のブログで書かせて頂きましたが、そもそもディストリクト用にKimberを別注させて頂いた意図やディテールについて本稿で説明させて頂きます。

1.Kimberというレースアップ・ブーツ自体はチーニーのオリジナル企画です。

2.レザーは型押し(グレイン・レザー)なので傷がつきにくく目立たない。

3.アイレットの数を調整しました。

4.ソールは雨や衝撃にも強く丈夫ですが見かけより軽い'ダイナイトソール'です。

5.そして木型は12508番。ここが一番重要ではないかと思います。

僕はSelbyというモデルが気に入っていて海外出張等にも連れていきますが、このSelbyの木型もまた12508です。確かサープラスとかサーヴィス・シューズと言われる軍用の供給靴の木型の筈です。僕は戦争や戦いには反対ですが、軍用として研究・開発されたアイテム、つまりミリタリー・ウェアや軍靴の完成度には大いに興味があります。

そして僕が今年最後のお買い物(靴、においては...)としてKimberを選んだ理由は

①寒くなってきたから。

②今年の秋以降、非常に雨が多いから。

③先日、広島の尾道でDenim Run Onomichiに参加するにあたりへヴィーデューティーな靴を履きたいと思ったから。

④今秋・冬後半のスタイリングにブーツが合うから。

⑤そしてラスト(木型)が12508だから、です。今年、何回もSelbyを履いてみて、この木型の優秀性を体感していました。

ちなみに国内外の出張が多いクリノにとって、出張、つまり'旅'とは自分の持っている服や靴の'性能'をテストする絶好の機会です。それはバイヤーの豊永譲司も同様で、我々は数多い旅において、服(や靴)の着心地や運動性、丈夫さやメンテナンスのし易さについて自分達をモニターとして日々試してきました。或いは'その服を着ていると、どの様に評価されるのか?'も体感してきました。

話は戻ってKimberです。尾道では2時間位自転車をこぎましたが快調でした。自転車のペダルによって甲の部分が痛まない様にUAのデタッチャブル・キルトを先端のアイレットに装着しましたが、それも正解でした。

長文になりましたが、靴を選ぶ重要な基準の一つが'木型'なのです。自分の足型や歩き方や動きのクセを理解し、それにあった'木型(Last)'の靴を選んだ時、ひとは靴と自分との距離が縮まったと思うのでは無いでしょうか?信頼できるパートナーが増えたような感じとも言えます。

ph-20171202182140-4ad20a4cff.jpg

皆様も是非、ご自分にあったら木型を見つけ、健康にお過ごし下さい。

2017年、11月末、栗野 宏文

Archives

MORE

Staff