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Free the New Balance

posted by クリノ

皆様お元気ですか?

東京では穏やかな秋晴れの天気が続き、北海道は雪です。

縦長の日本列島の天候はヴァラエティーに富んでいます。

そこに暮すひとたちの着るものも同様です。コートを着込んだひと、Tシャツ姿のひと...。

ひとの格好とは意識する/しないに関わらず皆違います。そこに'意志を持って服を選ぶ'という行為が入ると、いわゆる《おしゃれ》ということになり、そうして生きているうちに《私はこれが好きorそれが似合う》が出来上がってきたものが《スタイル》なのだと思います。

2000年から数えると、21世紀となって17年目の年も11か月が経過し、間もなく18年目の年となります。

そしていま、僕の仕事の場面では《ファッション》から《スタイル》の時代になっていることを痛感します。

ユナイテッドアローズのテーマ《Make Your Real Style》つまりひとりひとり異なるスタイルを持つお客様が自分自身の《スタイル》をつくっていけるお手伝いをする会社/お店を目指す、ことが益々リアリティーを持って感じられる時代となってきました。

《時代をこえて着続けられるものと、その時代の息吹を感じるものとを自由に創造的に組み合わせて着て頂く》ことを提案し、自分達も実行してきたつもりですが、このアティテュード自体が大きな潮流になっているのではないでしょうか?

それを実感するデザイナーとそのコレクションについて書きたいと思います。今春のディストリクトのブログでも紹介したフランスのデザイナー、クリステル・コシェによるKOCHÉ (コシェ)です。ph-20161121123953-58232e9b18.jpg

10月の東京ファッション・ウィーク期間中、公式スケジュール内でコシェのショウを開催しました。ブランドを立ち上げて3シーズン目のランウェイにしてパリ・コレクションで最重要な存在となっているのがコシェですが

そのコシェのコレクションを青山のH Beauty&Youthの招待とオーガナイズにより実現させました。

10月19日、水曜日。ショウの場所は《原宿通り》、通称《とんちゃん通り》です。僕は1978年から原宿で働いてきましたが、あの通りは何千回も歩いています。そこにある飲食店にも数多く通いましたが《とんちゃん》は80年代に最も栄えた居酒屋の一つで、多分あの通りに2軒、やがて六本木にも1軒出店したと記憶します。いつのまにか、そこが《とんちゃん通り》と呼ばれ定着したのにはそんな理由が...。そう言えば当時僕が働いていたビームスで社内版結婚披露宴が多く行われたのは《とんちゃん》もしくはパスタ・レストランの《ラヴェルデ》で、私事ですが僕の場合は《とんちゃん》でした。

今春、H Beauty&Youthのオープニングにあわせて来日したコシェのデザイナー、クリステルと彼女のパートナーで演出家のジュリアンと話していて'コシェというブランドの持つ革新性や自由は今の東京と非常に親和性があると思う'ということで意見が一致し、今秋の東京ファッション・ウィークへの正式参加を打診し'ではトライしてみよう'ということになりました。

そもそもコシェのショウはパリでも駅のコンコースや商店街のアーケード、そしてショッピング・センターのパブリック・スペース等をランウェイとして使用し、偶然通りかかった一般の方にも見たり体験したり出来る様にプランニングされてきました。いわゆる《ファーストロウヒエラルキー》へのアンチです。

ブランドのコンセプトも《ハイファッションとストリートと現代美術の融合》。60 年代/ 70 年代的とも言える《自由》な精神と、クリステル・コシェが永年経験してきた《最上級のモノづくり》を融合させ、パリの真の姿である《多様性》の豊かさとエキサイトメントを背景に具現化したKOCHÉ というブランドに僕やBeauty&Youthのバイヤーが惹かれ共鳴したのも、その《多様性と自由》故です。

ですからコシェのショウを東京で開催するなら

1.ストリートという設定/場所

2.ストリート・キャスティング(男女もミックス)

3.一般の方も観られる/体験できるオープン性

が必須でした。

様々な法律や規制が厳しい日本で果たしてそれは実現できるのか?と誰もが危惧しました。しかし諸問題や各障害をクリアし、遂に実現に至りました。

そこには地域警察署や商店会や各お店、住民の方の理解と協力、また東京ファッション・ウィーク関係者、バックステージ・スタッフ、メイク・アップで協賛頂いた資生堂、キャスティングに協力してくれ、自ら出演もしてくれたシトウ・レイさん、更にアクセサリーで協力してくれたばかりでなくスタイリング&モデルとして強力なチカラとなってくれたアンブッシュのユンさん、そしてストリート・キャスティングに賛同してくれたプロ&アマチュアのモデルの方々たちが居ます。

書き漏れている方も居るかもしれませんが、上記の方々の多大な協力なしには絶対に実現できないショウでした。

この場を借りてこころからお礼申し上げます。

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東京ファッション・ウィーク(スポンサーはAmazon)で具現化したコシェのショウとは

①ストリートをランウェイ化した(殆ど初めてです)

②プロも交えたストリート・キャスティング

③ジェンダー・ミックス

④シーズン・ミックス(図らずも一種のSee Now Buy Now編ともなりました)

と《初めて尽くし》だったのですが、上記の関係者の努力と素晴らしいオーディエンスとによって我々が意図した以上のものとなりました。

《ファッションの楽しさとは?》《パーソナル・スタイルとは?》《ジェンダーとは?》《ショウとは誰の為のもの?》

《東京の魅力とは?》etc...について良い意味で疑問や課題や将来性を示すものともなった様です。

ところで、このショウでも、またそのオリジナル版であった9月27日のパリ・コレクションでも殆どのモデルが履いていた靴がNew Balance。人間工学的追求、スポーツ・シューズとしての完成度、リアルなデザイン...。

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ディストリクト、ユナイテッドアローズ、ビューティー&ユース、グリーン・レーベル・リラクシング、アナザー・エディションetc...で永年扱ってきた人気と信頼のブランドです。そして我々にとっては《履きやすくおしゃれなスニーカー》の代表格。

しかし、アメリカで、ある理由からニューバランスという靴に対するネガティヴ・キャンペーンが起きてしまい、話題です。それは《ヘイト・キャンペーン》とも言える残念な動きであり、しかも、その動きの担い手が民主党支持者であるという事実には《今のアメリカ人の単純さと愚かさ》を感じずにはいられません。

ネガティヴ・キャンペーンの結果、ニューバランスの靴を燃やすひとたちが居るそうです。

かの国には《ものをたいせつにする》とか《プロダクツの背景にある作り手への尊敬》など存在しないのでしょう。僕は以前ニューバランスのファクトリーを訪ね、また会長のジム・ディヴィス氏と会見もさせて頂きました。

ファクトリーにはあらゆる人種、あらゆる年齢の人達が働いており、地元の雇用や製品の完成度と信頼性を永年守り続ける企業努力も体感してきました。

彼等が作ったもの(それも共同体やひとびとへの愛故に継続しています)を壊したり、燃やしたりする...

それは一体、かの国を《より良くする何か》になるのでしょうか?本当に多様性や平和や共存を考えるひとたちなのでしょうか?考えれば考えるほど残念です。

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コシェの話題に戻れば、フランスとドイツの境にある地域に生まれ、ごく普通の庶民の両親のもとに育ったクリステル・コシェは《そんな一般階級の子女に高級ファッションなんてつくれるわけがない》と言われ続けたそうです。彼女は14歳からあらゆるアルバイトを経験し、ロンドンのセント・マーチン美術大学(CSM)でも授業後や週末に働いて学費を捻出しました。

彼女はトップの成績でCSMを卒業し、アルマーニ、ボッテガ・ヴェネタ、クロエ、ソニア・リキエルそしてドリス・ヴァン・ノッテンと言った最高のメゾン群で修業を積み、しかもそこに留まらずにリスクを持って自分のブランドをスタートさせました。またカール・ラガーフェルドに認められて数年前からシャネルの工房の一つであるメゾン・ルマリエのディレクターも務め、そこではフランスのオートクチュールの技術と伝統を継承する為の人材育成やトライアルを行っていて、コシェ製品の一部もその背景でつくられています。

クリステルが持つ信念と掲げるヴィジョン、多様性や自由、ファッションのカルチャーやヒューマニティへのリスペクトが《KOCHÉ》というブランドの原点なのです。

ファッションは《差別》や《偏見》に対抗し得るツールでもあり、また産業としての《自由度》も同様です。

僕は前述した米国の愚かなアクションを知って以降、益々New Balanceを履こうと思いました。

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コシェの素晴らしい東京のショウの様子が彼ら自身のエディットで観られます。

またユナイテッドアローズのホーム・ページ上のアーティクルではクリステル・コシェのインタヴューも掲載中

是非ご覧ください!

では楽しい晩秋の日々を。

Free The New Balance! クリノヒロフミ

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